「うさぎには寒さ対策が必要です」
えっ、うさぎって寒さに強いんじゃないの?!
初めてうさぎを迎えた時に店員さんに教えて頂き、私は驚きました。それまでうさぎのイメージとして『雪の中でぴょんぴょん走り回る姿』が頭の中にあったのですが、実は野生のアナウサギは、活動時間以外のほとんどを快適な温度が保たれている巣穴で過ごしています。一日中を氷点下で暮らすわけではないのです!
つまり、うさぎは特別寒さに強い動物という訳ではありません。彼らが快適に過ごせる温度は18~25℃(かなり個体差はあります)で、加えて急激な温度変化も大の苦手。余りに寒いと丸くなりじっとする時間が増え、胃腸の調子を崩す危険まで出てきます。
「でも、寒さ対策が必要なのはわかったけど、どうやればいいの?何度にすればよくて、エアコンは?毛布とかダンボールとか使うって聞いたけど正しいの?」 …分かります。特に初めての冬を迎えるうさぎ飼いさんは不安になりますよね!なので今回は、うさぎの寒さ対策について色んな疑問を出来るだけ分かりやすく丁寧に回答する記事を作ってみました。ポイントは「うさぎの目線で」考えてあげることですよ!
うさぎの寒さ対策の方法を解説!何度にすればいいの?毛布の使い方は?
うさぎの寒さ対策ですが、具体的には以下のステップを踏んで進めていくことになります。
- うさぎが居る部屋や生活スペースの、実際の室温を知る
- 主にうさぎが生活する場所(一般的にはケージ)の保温をする
- 保温では間に合わない場合やケージ以外での生活が多いうさぎには、必要に応じて更に対策
考え方はこのとおりなので、そんなに難しいことはありません!順を追って解説していきますね。
必ず温度計を使って実際の室温を把握しよう
寒さ対策と聞くと、じゃあ何度にすればいいの?という疑問が真っ先に浮かびますよね。冒頭でも述べたとおり、うさぎにとっての快適な温度は18~25℃です。といっても品種や年齢などによって個体差がかなりあるので、ご自分のうさぎをよく観察して調整するようにしてくださいね。
つまり、うさぎが主に生活するスペース(多くの方がケージやサークルだと思います)の室温をうさぎにとっての適温にしてあげればいいのですが…この時、必ず温度計を使って実際の室温を計るようにしてください。例え暖房を使っていても、設定温度と実際の室温には差が出ることがあります。ケージやサークル近くに温度計を置き、シーズンが近づいたら1日に何回かはチェックするようにしてあげましょう。
ケージの保温は『囲う』・『覆う』で保温を徹底!毛布やダンボールの使い方
うさぎのケージ周りの室温をチェックして、やはり適温を下回ってしまうようならば保温対策をします。具体的にはケージの周りをダンボールや断熱シートを貼ったメッシュパネルなどで囲い、更に必要に応じて毛布や専用のケージカバーなどで覆ってあげます。ダンボールはうさぎの口に入らないよう注意してくださいね。
また、ケージの置き場所にも注意しましょう。うさぎは温度変化に弱いので、すきま風が吹くようなところは厳禁です。置き場所の床が冷たい場合は厚手のマットを敷いてあげることで床からの冷えを改善できます。ケージやサークル内にうさぎの体の大きさにあった巣箱やかまくらを置いてあげるのも良いです。人間の目線よりうさぎの目線はずっと低いので、彼らの立場で部屋を見渡すとどこを対策すればいいか見えてきますよ。
それでもだめならヒーター等を導入!注意点はうさぎが『自分で』調整できるようにすること
ここまでしても生活スペースが適温を下回ったり、うさぎがじっとして動かない等、寒さを耐えている様子なら、より本格的な対策が必要です。具体的には小動物用のヒーターなどをケージ・サークルに取り付けてあげたり、部屋全体をエアコンやオイルヒーターなどの暖房器具で温めてあげます。
上のようなうさぎ専用ヒーターもおすすめです。各種サイズがあるので環境に合わせて選んでみましょう。床に敷く場合はタオルなどでくるむと丁度いい温度になります。タオルをかじってしまう子には、床ではなくケージの側面に取り付けてあげるといいですよ。うさぎが絶対にヒーターの電源コードをかじらないよう、そこの対策だけはきちんとしましょう(上記のような専用品にはコードがカバーされているものもあります)
また、うさぎが寒い時にはヒーターに近づく、暑かったら逃げるというように自分で体温を調節できるよう、ケージすべてを温めるのは避けたほうが良いです。ここでも、うさぎの目線で考えてあげましょう!
ケージの外にいる時間が長い・放し飼いのうさぎには暖房+ポイント温めで対処
部屋んぽが長いうさぎや、サークル・放し飼いのうさぎの場合はケージの保温・加温対策が余り意味を持ちません。この場合は面積が広いので、素直にエアコンやオイルヒーターなどの暖房器具を活用することをお勧めします。温度計を部屋の低い場所(うさぎの目線)に取りつけ、適温になるよう暖房で調整します。サーキュレーターを併用すると電気代の節約にもなりますよ!
ただし、暖房での暖めすぎにも注意です。寒い時と暑い時にうさぎが自分で移動できるよう、例えば暖房はあくまで最低限の設定温度にとどめ、うさぎの移動スペースの一部にホットカーペットを敷いてあげるなどするとうさぎが自由に調整できるのでおすすめです。
管理人が使っているサーキュレーターです。値段が少しお高めなので迷いましたが、消音性が本当に良いのでオススメします。ベッドの横に置いていても、びっくりするくらい音がしません。首振り機能なども充実しています。
エアコンはつけっぱなしのほうがいい? 判断基準を説明します
エアコンやオイルヒーター等、部屋全体の暖房について、24時間つけっぱなしのほうがいいのかそうでないのか、そういう疑問をしばしば目にすることがあります。ざっくり答えてしまうと、これは環境によります。どういうことなのか判断基準を説明しますね。
うさぎは急激な温度変化をきらう動物です。暖房24時間つけっぱなしというのは、この温度変化をなるべく減らすため。たとえ適温範囲内でも、18℃から25℃へ目まぐるしい温度変化が毎日あれば、うさぎだけでなく人間だって体調を崩しかねません。人間よりずっと体の小さいうさぎなら、なおのこと。そのため、ペットショップやうさぎカフェ、ブリーダーなど動物を扱うお店では24時間の空調が導入されているのです。
つまり、この温度変化が暖房のオン・オフによってそんなに起こらない環境ならば、夜間に暖房をオフにしても構わないでしょう。逆に、うさぎの生活範囲の室温が暖房を入れている時間と切っている時間で5℃以上など大幅に変わるようなら、やはり点けっぱなしのほうがおすすめです。
意外な盲点!冬対策で見落としがちな湿度管理やケージ周りの結露対策
以上のように、寒さ対策については紹介をしてきましたが…ほかにも
気を付けるべきこととして、次の2点を説明しますね。
- 加湿器による湿度管理
- 結露対策やしっかりとした清掃
加湿対策もしっかり行って!知らない間にカラカラ空気になっているかも…
冬は寒いものですが、湿度が下がる季節でもあります。うさぎにとっての快適な湿度は40~60%で人間とほぼ被っているのですが、暖房や対策グッズなどを使うと、知らないうちに湿度が30%を切っていたりすることも。うさぎの皮膚トラブルにつながったり、そもそも人間の体にもよくないので、加湿器を使うなどしてきちんと湿度の底上げをしましょう。
ケージを隅に置いている人は対策必須?!結露にも気を使って
ケージが壁際や窓のそばにある場合、視覚になるので気づきにくいですが…ケージ近くが結露していないか普段からしっかり見ておきましょう。特にダンボールでケージ保温対策を行っていると、気づかないうちにダンボールの裏側が結露でしっとり…最悪の場合カビが発生していた!なんてこともあり得ます。寒さ対策で物が増えた分、うさぎの生活スペース周りの清掃はいつも以上にきちんと行いましょう。
100均でもある程度の対策は可能!出来るところまでは良コスパの100均で◎
以上のようにうさぎの寒さ対策を解説してきましたが、やっぱりワンシーズンのためにあれこれグッズを取りそろえなければいけないのは大変ですよね。もちろんうさぎの健康が何より大切ですが、同じ効果を持つアイテムならば出来れば低コストで抑えたいものです。
そこで思い浮かぶのが100円ショップ。最近はどんどん取り扱う商品が増えているため、うさぎの防寒グッズに使えるものも沢山あります!流石にヒーターなどは売っていないので、どんな冬も100均グッズだけで乗り切れるとは言えませんが、ある程度までは100均商品で対策できます。例えば温度計や断熱シートなどの保温対策までは100円ショップのダイソーで全て揃えられるのです。うさぎの寒さ対策と100均グッズについては、次の記事でより具体的に紹介しているのでぜひご覧くださいね。
まとめ
さて、今回はうさぎの寒さ対策について徹底解説してきました。まずは本記事の内容をおさらいしてみましょう。
- うさぎが快適に過ごす温度には個体差はあるが18~25℃、急激な温度変化も苦手
- 寒さ対策に必要なのは実際の室温とうさぎの適温を合わせてあげること
- ケージの保温を毛布やダンボールで行い、それでだめならペットヒーターや暖房を導入
- ケージ以外で過ごすうさぎには暖房が一番。温度変化を減らすために24時間つけっぱなしもオススメ
- 寒さ対策のほかに加湿や清掃もきちんと行う
- 100均グッズでも保温対策までは対応可能!上手に利用しよう
ここで、うさぎと初めて冬を迎える初心者さんへ伝えたいポイントがあります。うさぎは人間よりもずっと体の小さな生き物です。特に子うさぎを迎えたての頃は何もかもが心配で、あれもこれもと対策をしてしまいますよね。確かにうさぎは寒さ対策が必須。
けれど、それでも暑さよりは、うさぎは寒さのほうが得意です。心配になってしまう気持ちは分かりますが、あくまで対策は「うさぎが自分で調整できる範囲」にとどめることを忘れないでください。ケージに居るうさぎは自分で好きな場所へ行くことが出来ません。寒さ対策に気を取られすぎて、逆にうさぎが暑さぐったりしている、なんてことにならないようにある程度大らかな気持ちで見守ってあげましょう!