うさぎといえば、真っ白な毛で雪の上を走り回るユキウサギのイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。確かに彼らは野生下でも厳しい冬を乗り越えるたくましい生き物です。
しかし、一般家庭で我々人間と暮らすペットうさぎはユキウサギと全く異なる種類のため、寒さにものすごく強い!という訳ではありません。お家のうさぎが寒がるようなら、きちんと寒さ対策を行わなくてはいけないのです。それは、分かっているのだけど…
うさぎって、寒い時どういう仕草をするの?
確かに、うさぎが寒がるってどういう時なのでしょうか? 耳が冷たい時? 体が震える? 考えてみると、意外と知りませんよね。ということで今回は、うさぎが寒い時にどんな仕草・行動をするのか、どう判断すればいいのかを解説したいと思います!
うさぎが寒い時の仕草を解説!ひとつのサインだけでなく複合的に判断して
さあ、早速『うさぎが寒い時にする仕草や行動』を見ていきましょう。具体的には、
- 耳が冷たくなっている
- 香箱座りで耳を折りたたみ、じっとしている
- 呼吸のペースをセーブしている
- 食欲が無く、何となく元気が無い
など、いくつかのサインがあります。ポイントとしては、どれか一つだけで判断するというよりも、複数のサインが出ていないか注目した方が分かりやすいということです。寒さに限らずですが、うさぎは一つの行動に色々な意味があることが多いため、2~3個のサインやその時の背景・状況を複合的に判断すると、見極めやすいと思います。では、それぞれのサインを順に説明していきますね。
耳が冷たくなっている
うさぎは、その長い耳から放熱することで、体温調節を行っています。寒い時(=これ以上放熱する必要のない時)は耳を冷たくして、熱が逃げるのを防いでいるというわけです。ただし、これだけで寒いと感じているとまでは断定できません。余り活動していない時間帯は放熱の必要が無いため、冷たい時もよくあります。
香箱座りで耳を折りたたみ、じっとしている
寒い時に体を丸めることは、人間でもよくありますよね。これは外気に体を触れさせる面積を少なくして、体温の低下を防ごうとする自然な行動です。うさぎも同じで、寒い時には手足を体の下に入れ込み丸くなる、いわゆる香箱座りの姿勢になります。また、耳も寝かせて体に添わせたりも。加えて巣箱の中や壁際など、隅っこでじっとしている時間が長いなら、かなり寒いのかもしれません。
呼吸のペースをセーブしている
実は呼吸も、うさぎの体温調節方法の一つです。体内で作られた熱を呼吸によって蒸発させ、空気を取り込んで調整を行っています。うさぎが寒いと感じる時は体温の拡散を防ぐため、呼吸のペースをセーブすることがあるようです。
食欲が無く、元気が無い
これは少し要注意なサインですが、うさぎの体温が低下すると消化器官の動きが停滞ぎみになり、食欲が落ちることがあります。また、体温が下がるのを防ぐために水を飲む量も控えることがあり、この場合ますます胃腸の活動が抑えられてしまうのです。その結果、排泄の回数が減り体調が悪く元気が無い、という状態になります。うさぎはよく食べ、よく排泄することで健康を維持する動物なので、早急に対処しましょう。
爪切りやブラッシングのあと、または部屋んぽで大騒ぎした後などに、うさぎが震えているのを見たことがあるかもしれません。人間は寒い時に体を震わせがちですが、うさぎの場合、震えは寒さよりむしろ暑い時やストレスのサインであることが多いです。
たいていは一時的なもので、じきに治まることがほとんどですが、体のどこかに強い痛みがある場合などにも震えを見せることがあります。ずっと震えている・震えがどんどん強くなっているなどの異常時は、寒い・寒くないの原因如何にかかわらず、すぐに病院へ連絡しましょう。
うさぎは何度から寒いの?うさぎにとっての適温は・・・
うさぎが寒い時にする仕草について紹介したところで、では、いったい室温が何度になるとうさぎに『寒い!』と思われてしまうのかについても説明したいと思います。最も一般的に言われているのは、
摂氏18℃以上=ペットのうさぎが快適に過ごせる室温
というものです。かなり個体差があるのでこれ以下でも元気なうさぎも沢山居ますが、ご自分のうさぎの適温を見極めるための指標として、18℃という数字は憶えておくのがオススメです。なお、暖房器具などの設定温度ではなく、うさぎの生活範囲に温度計を設置して実際の室温を計測してください。
うさぎが寒がる時はどうする? シーズン前に、きちんとした寒さ対策を!
もしも今、あなたのうさぎが寒がっているなら、とりあえず毛布や抱っこなどで温めてあげましょう。元気があるなら程よく運動をさせるのも◎。しかし本来であれば、うさぎが寒い時の仕草やサインを出す前に寒さ対策をしてあげるのが一番です。寒い時期が近づいたら、うさぎが生活するスペースに温度計を設置し、常に室温をチェックしてあげましょう。
その上で適温を下回りそうな場合は、ケージなどうさぎがよく居る場所を保温したり、必要に応じてヒーターなどで加温して適温に戻してあげるのが寒さ対策の基本です。ただし、必要以上に温めすぎると、かえってうさぎが高温に耐えられなくなってしまいます。寒いところと温かいところをうさぎが自由に移動できるようにするのがオススメです。
詳しくは以下2つの記事でも特集しているので、冬へ向けてきちんとした寒さ対策を行いましょう。100均でも、ある程度までも保温対策は可能ですよ!
まとめ
さて、今回はうさぎが寒い時に出す仕草・サインについて特集しました。内容をまとめると、
- うさぎが寒い時は『耳が冷たい・香箱座りでじっとする・呼吸がゆっくり、食欲や元気が無い』というサインを出すことがある
- ひとつのサインだけではなく複合的に判断すると、見極めやすい
- うさぎにとっての快適な室温は18℃以上といわれている
- うさぎが寒がるならとにかく体を温め、ケージなどに寒さ対策を施そう
以上のようになります。うさぎは比較的寒さに強い生き物ですが、それでも環境によっては寒さで体調を崩すことがあります。また、温度の低さそのものよりも、室温/気温のアップダウンに弱い傾向があるため、いきなり気温が急降下した日は特に気を付けてあげてください。