ハーブ、と聞いて思い浮かぶ植物はいくつかありますが、バジルは代表格の一つと言ってもいいのではないでしょうか。丈夫で育てやすく、イタリア料理などに取り入れやすいため、最近は家庭でも栽培する方が増えているようです。ここでうさぎ飼いとして気になるのが、
うさぎにもバジルを食べさせていい?
ということ。ハーブは元々野草だし、なんとなくうさぎにもOKな気がしますよね。もちろんハーブや野草すべてが大丈夫なわけではなく、NGな毒草もあるのですが…。
ひとまず、バジルに関してはうさぎに与えても問題ないとされています。
けれど、与える際には気を付けたい点もいくつかあります。ですので、この記事ではバジルの栄養や期待される効果だけでなく、注意点も掘り下げていきますよ! ぜひ、最後まで目を通していただけると幸いです。
うさぎはバジルを食べられます!ビタミンのバランスが良く抗酸化作用の期待も
さて、繰り返しますが、
うさぎはバジルを食べることができます!
でも、具体的にどう役に立つのか? まずはこの章でバジルの持つ栄養や効果について説明した後、次章では実際に与える時の注意点などを解説していきます。なお、バジルには種類がありますが、日本で一般的に流通しているのは『スイートバジル』という種類です。なので、今回はバジル=スイートバジルとして解説を進めていきますね!
バジルに期待できる効果・効能は? 抗酸化・抗炎症作用があるとされています
まだ研究途中ではあるようですが、バジルにはうさぎに対し抗酸化作用・抗炎症作用があるとされています。また、あくまでネズミに対しての研究段階ではありますが、バジルには血糖値を下げる効果も期待できるかもしれないとのことです[参考]。ほか、副腎皮質の活性化・食欲増進などの効能の可能性についてもうさぎの飼育書で紹介されていますよ。
香りの強い野菜類が好きなうさぎの場合には、セロリや大葉と同様、食欲増進にも役立つかもしれません。バジルが好物なのであれば、なんとなくうさぎの食欲が無い…という時に少量を与えてみるのも良いでしょう。
バジルの持つ栄養素は? ビタミンAやE、ビタミンK、カルシウムなどが豊富
バジルには脂溶性ビタミンである
- βカロテン(ビタミンAのもととなる)
- ビタミンE
- ビタミンK
が豊富。脂溶性ビタミンはうさぎが積極的に補給する必要のあるビタミンと言われており、ビタミンAは視覚や骨や皮膚の発達、免疫機能などの代謝機能に関わっており、ビタミンEは老化防止、ビタミンKは血液を凝固させる働きがあります。また、カルシウムやマグネシウムも多く含まれており、骨格形成に重要な役割を果たします。
ただし以上の栄養素も過剰摂取すると悪影響があるため(これはどんな栄養素でもそうです)、次章を参考に適切な量をあげるようにしてください。サプリなども与えている方は、サプリに含まれている成分を確認して、バジルを与えた日は特定の栄養素が過剰にならないようにすると安心です。特に、カルシウムは過剰になると尿トラブルを起こすことがあるので注意してくださいね。
うさぎにバジルを与える時の注意点は? 最初は少量、おやつの認識を持って
うさぎも食べられるバジルですが、与える際の注意点も。バジルだけでなくハーブ全般に言えることですが、元々ハーブは人間にとっても『薬効が期待できる=扱いを間違えれば害にもなる』可能性がある食べ物のため、より慎重に与える必要があるのです。うさぎにとってハーブは主食ではありません。『おやつ・サプリ』にすぎないという認識を持ちましょう。
うさぎに与える際の注意点としては、次のようなことが挙げられます。
- 妊娠中・授乳中のうさぎには与えない
- バジルについた薬剤や虫などに注意し、取り除いてから与える
- 最初は少量から様子を見て与え、継続的には与えることは避ける
- 生後4か月以降のうさぎにのみ与える
バジルは妊娠中・授乳中のうさぎには与えない! 香り成分には発がん性の可能性も
バジルの香り成分である『エストラゴール』には、発がん性が指摘されています。といってもそのリスクは低いとされ、通常であればまず気にすることはないようですが、感受性の高い妊娠中・授乳中のうさぎには与えるべきではないとされています。
どんな環境で育ったバジル? 薬剤や虫には充分気を付けて
バジルの調達方法は様々。スーパーで売られている物から家庭菜園で育ったもの、もしかすると野原で摘んできたものなどもあるかもしれません。いずれにせよ、うさぎに与える前にはバジルをよく洗いましょう。家庭菜園で強い殺虫剤を散布している場合、そこから摘んだバジルは与えない方が無難です。また、無農薬で育てていたものは虫がついている可能性もあるので、ちゃんと確認してくださいね。
どんなハーブもこれを守って! 少量から与え、継続的には与えない
ハーブ・野菜などおやつ全般に言えることですが、うさぎにバジルを与える際は以下のことを守りましょう。
- 初めて与える際は必ず少しずつから様子を見て体調や排泄物に変化がないか注視
- 問題無ければ段々量を増やしてOK、でも一回に最大で1茎(15cm程)くらいに留める
- 毎日など継続的には与えず、色々なバリエーションの野菜やハーブを与える
繰り返しますが、うさぎの主食はあくまで牧草とペレットです。ハーブや野菜はおやつである、という認識を忘れないようにしましょうね。
バジルを与えて良いのは生後4か月以降のうさぎのみ
バジルだけでなくハーブ・野菜類は生後4か月以降に与えるのがコツです。
子うさぎの腸内は非常に不安定な環境にあり、ちょっとしたことでも体調を崩す恐れがあります。特にハーブは薬効成分に強く反応してしまううさぎも居ますので、デビューの際は慎重に与えるようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回はうさぎとバジルの関係について、効果や栄養素・与え方の注意などを解説してきました。まずは内容をおさらいしてみましょう。
- うさぎはバジルを食べられる
- バジルはビタミン・ミネラルなどの栄養に優れ、抗炎症作用・抗酸化作用などが期待できる
- ただし、授乳中・妊娠中・生後4か月未満のうさぎには与えないこと
- バジルに限らず、ハーブを与える際は慎重に。少量から始め、継続的に与えない
- バジルをうさぎに与える前にはよく洗い、虫などにも注意する
管理人もかつてバジルを室内で育てたことがありますが、非常に生命力が強くあっという間にぐんぐん大きくなるハーブなので、使い道に困った記憶があります。そういう時、家にうさぎが居るとついつい食べさせたくなってしまいますが、上記の注意点に気を付け、安全に食べてもらえるように心がけましょうね。
他にも日本のハーブと言われる大葉など、うさぎに食べさせていいか迷う食材の記事を以下に載せていますので、初心者の方はぜひご覧になっていってくださいね。皆様のうさぎが、今日も元気で幸せに過ごせますように。読んで下さり、ありがとうございました。