うさぎと暮らすのであれば絶対に必要になる、チモシー牧草。そのチモシーには、一番刈りと二番刈り、更には三番刈りまであることをご存じでしたか? 通常「チモシー」という名称で販売されている商品は、主に一番刈りであることが多いです。一般的には、この一番刈りチモシーを食べているうさぎが多いでしょう。
でも、専門店やオンラインショップなどで二番刈りなどの違う種類を見かけてしまうと、ついつい色んな商品が気になってしまうのがうさぎ飼いというもの。私もその一人です。でも、別の種類の草ならともかく、一番二番と付いてはいても、どれも同じチモシーなんですよね。
結局、チモシー一番刈りと二番刈りの違いって何なのでしょうか? それに、どれが理想なの?
また、今あげている〇番刈りを食べなくなった!栄養が違ったりしたら心配…切り替えても大丈夫なのか知りたい、という方もいるでしょう。ということで今回は、チモシーの収穫時期の違いについて、詳細やオススメをしっかり解説しますね!
チモシーの一番刈りと二番刈り、違いは硬さ・繊維質!そんなに気にしなくてOK
では早速、チモシーの刈り取り時期による違いを表で見てみましょう! なお、ここでは現在日本で一番手に入りやすいチモシー産地である、アメリカ産チモシーについて、三番刈りまで含めて取り扱います。
種類 | 刈り取り時期 | 硬さ | 繊維質 | 嗜好性 | 粗たんぱくや粗脂肪 |
---|---|---|---|---|---|
一番刈り | 6~7月 | 硬い | 最も豊富 | ふつう | 少なめ |
二番刈り | 8~9月 | ふつう | 一番刈りより僅かに少ない | 高め | 一番刈りより僅かに高い |
三番刈り | 9~10月 | 柔らかい | 少なめ | 最も高い | 最も豊富 |
チモシー一番刈り:土壌のミネラル養分をたっぷり吸った、高繊維質でパリパリ香り高い牧草
チモシーは多年草の植物で、一番刈りチモシーはその年で最初に刈り取られる青々しいチモシーです。大人うさぎの健康維持に欠かせない繊維質が豊富で、最も流通していると考えられています。特徴としては
- 青い香りが強く、もっとも高繊維質で硬い歯ごたえ
- 土壌の養分をたっぷり吸うためミネラル分が豊富
- タンパク質や脂肪分は最も低い
- 嗜好性はふつう、うさぎがチモシーを食べなくて悩む飼い主さんも実は多い
以上のような点が挙げられます。葉もきれいな緑色をしているものが多く、牧草を扱うお店ならほぼ必ず販売されているので、手に入れやすいです。繊維質が豊富=歯の伸びすぎを防ぎ、うさぎの腸内をよく動かしてくれるため、この一番刈りチモシーがうさぎに最も理想的とする意見が主流派となっています。
チモシー二番刈り:一番よりは繊維質が減り、粗タンパクや粗脂肪が多く嗜好性が高い
二番刈りチモシーは、一番刈りの後に再成長したものを収穫した牧草です。アメリカでは晩夏に収穫され、一番刈りよりも葉が多めに混じっています。色は緑に加え、茶色を含んだものも。
- 一番刈りと三番刈りの中間の特徴を持つ
- 繊維質は一番刈りよりはわずかに劣るが気にする程ではない
- 嗜好性は高く、一番を食べなくても二番なら食べる!といううさぎも
なお、産地にや年よっては一番刈りよりも二番の方が高繊維質であることもあります。アメリカでは一番より二番を勧めるお店もあるようです。
チモシー三番刈り:高タンパク・高栄養で嗜好性抜群!でも繊維質は少なめ
三番刈りチモシーは、二番刈りを収穫後に更に再生してきた牧草を刈り取ったものです。ここまで再成長する草は少ないので、三種類の中ではもっとも収穫量が少なく、貴重なタイプの牧草となっています。
- 三種類の中でもっとも柔らかく、嗜好性が高い
- 高タンパク・高脂肪のため、低体重のうさぎには最適
- 繊維質はもっとも少ないので、これだけで与えてよいかは糞の様子で要判断
- 食いつきが良く、他の牧草と混ぜるとそれも一緒に食べてくれることがある
葉は茶色のものが多く入るので、見た目で避ける飼い主さんもいらっしゃいますが、葉の色や見た目と品質には全く関係がありません。うさぎの食いつきも高い傾向にあります。
一番刈りと二番刈り、結局どっちが理想なの?三番刈りは駄目?
ここまで、チモシーの収穫時期による違いを解説してきましたが、うさぎに最適なのはどれなの?と思いますよね。また、一番刈りを理想!とする意見も多いため、二番刈り以降は駄目なのかな…と考えてしまう方もいるでしょう。これについては、
うさぎが一番沢山食べるものを選べばいいです。一番刈りじゃないとダメ、とは思わなくて大丈夫!
確かに一番刈りチモシーは成分的に最も理想的な牧草ですが、うさぎは食の好みにこだわりの強い子も多く、そう簡単に矯正することは出来ません。一方でご存じの通り、うさぎは常に牧草を食べてお腹を動かしていないと危険な状態に陥りやすい動物。健康のために一番刈りを好きになってもらおうとしているのに、うさぎにハンストされてしまうと逆に悪影響が出てしまうおそれがあるのです。
なので、わずかに繊維質で劣ろうとも、沢山食べてくれるものを選ぶのが一番良いのです。また、三番刈りは確かに繊維質が最も少なめですが、それでもたっぷり量を食べてくれるならうさぎの腸内を正常に保ってくれます。ただし、三番刈りだけではなく他の時期のものも混ぜてあげたほうが、より良いでしょう。
チモシーの収穫時期を別のものに切り替える際、糞の状態は見ておいた方が良いです。何をどのくらいの量食べたかよりも、うさぎの腸内の良し悪しを表す最も的確なバロメーターは糞だからです。もしも繊維質が足りなくなっているなら、糞の数が減り、黒っぽくなり小さくなります。極端に糞の様子が変わるなら、病院と相談しながら牧草のあげ方を調整していきましょう。
一番刈りチモシーを食べない~!どうすればいいの? 他産地のものを選ぶ手も
チモシー牧草につきものの悩み。それは、うさぎがチモシーを食べてくれない!ということ。特に一番刈りを食べなくて苦労している飼い主さんは多いようです。前項でも説明したとおり、一番刈りを食べてくれないなら二番や三番を試しても全く問題ありません。それで沢山食べてくれるようになるならチャレンジは大成功。
なお、収穫時期だけでなく産地でもうさぎのチモシーに対する食いつきは変わります。売っているお店は少なくなりますが、
- カナダ産チモシー
- 北海道産チモシー
なども試してみる価値があるでしょう。これらのチモシーも、沢山食べてくれて、糞の状態が安定するならそちらへ移行しても大丈夫ですよ。どうしてもチモシーが駄目なら、他のイネ科牧草(オーチャードグラスやオーツヘイ等)で代替することも可能です。また、日ごろから複数の牧草を与えていれば、そのうち1種類を食べなくなっても慌てずに済むのでオススメですよ!
上記のように、色んな種類の牧草が入ったお試しセットを売っているお店もあります!上手に活用しましょう。
↓なお、牧草を食べないという問題はよくあるお悩みなので、こちらに詳しい記事を作成しています。悩んでいらっしゃる方はぜひご覧くださいね。↓
まとめ
さて、今回はチモシーの一番刈りと二番刈り、そして三番刈りの違いについて解説してきました!
- チモシー一番刈りと二番刈り、三番刈りでは硬さや嗜好性、栄養が異なる
- といっても違いはわずかなので、きちんと量を食べて糞の状態が良くなるものを選ぶのが一番
- アメリカ以外の産地のチモシーでも、糞が安定するなら問題ない
以上のことが分かりましたね。チモシーの一番刈りは理想的で流通量も多く、沢山食べてくれるなら敢えて他のものに替える必要はありません。けれど、余り食べてくれないのに、繊維質の含有量にこだわって一番刈りだけを与え続けるよりは、二番刈りや三番刈りを活用する方がおすすめです。
また、〇番刈りを食べなくなった!といっても、うさぎは割と食の好みがコロコロ変わる生き物なので、一度食べなくなった牧草でも、また時期をおいて食べてくれる可能性がありますよ。ぜひ、このことも頭に入れておいてください。
うさぎの牧草問題は数多いため、以下に記事をまとめています! 一度、目を通してみていただけると幸いです。