「うさぎとの生活で、一番幸せを感じる時間は?」と聞かれたら、「うさぎを撫でている時」と答える人が数多くいるでしょう。
実は、うさぎを撫でることは比較的簡単です。なぜなら、うさぎは撫でられることが基本的に好きだから。抱っこはキライだけど撫でるのはOKという子も数多くいます。
しかし、いきなり矛盾するようですが、初心者にとっては「うさぎを撫でるのって難しい」んですよね。確かに、街中などでも触れ合いやすい犬や猫と違い、うさぎを撫でるという機会はめったにありません。うさぎカフェなどに行くと、撫で方が分からず逃げられてしまったり、うさぎに近づけないでいるお客さんを見かけますし、管理人自身も昔はそうでした。
という訳で、今回は、「うさぎの撫で方」について、撫で方のコツや撫でるべき部分・うさぎが嫌がりやすい部分などに分けて超ビギナー向けに説明していきます。うさぎを飼っていることを想定して書いていますが、カフェ等でも応用できる部分が多くありますので、是非参考にしてみてください。
うさぎの撫で方 コツとテクニック
まずは、うさぎの撫で方から解説します。「早くどこを撫でればいいか教えて!」という気持ちになるかもしれませんが、これを読めば、実際に自分がうさぎを撫でているところをイメージしやすくなりますよ。
タイミング うさぎがリラックスしている時を狙おう
いくら人間側が撫でたいと思っても、うさぎにも気分というものがあります。信頼関係があれば突然撫でても嫌がられませんが、初心者のうちはタイミングを見計らった方がいいでしょう。ポイントは、うさぎのリラックス中に撫でることです。うさぎは、危険を感じていない時は体を休ませ、通常より少しだけ警戒を弱めます。
目安としては、
- 鼻のヒクヒクがゆっくりしている
- お腹を床にぺったりつけて座っている
- 目を細め、耳を寝かせている
こういう状態が、うさぎのリラックスサインです。この時に、膝立ちくらいの姿勢で正面から、ゆっくりと近づいてみてください。うさぎが驚かなければ、出来るだけ手を低い位置から近付けて優しく撫でてあげましょう。高いところからいきなり近づくと、うさぎは危険にさらされたと勘違いして逃げてしまう場合があります。
次は撫でる時の力加減について。初心者の方が特に知りたいポイントだと思います。
力加減
力加減ですが、人間が自分の手を優しく洗う時くらいの強さで大丈夫です。よく、『うさぎは骨が脆い』『とても繊細な動物』言われるので不安になってしまうかもしれませんが、そこまで神経質になる必要はありません。少なくとも撫でることについては、猫の場合と比べても、そこまで力加減を変えなくて大丈夫です。
もちろん、うさぎの様子を見て、嫌そうならもっと力を弱めましょう。うさぎが一番気持ちよさそうにしている時の力加減を覚えるのが一番ですよ。
『撫でて』サインを見逃さない
犬や猫に比べて、うさぎは何を考えているかわからないと言われることがあります。 確かに、うさぎのメッセージを汲み取るのは、初心者には少しだけ難しいかもしれません。しかし、既にこの記事でも何度か書いてきたように、うさぎは撫でられるのが大好きな動物です。 もし飼い主さんのなでなでが気持ちいいと思えば、うさぎの方から「撫でて!」とアピールしてくる可能性は充分にあります。
例えば、飼い主さんがうさぎに対して何もしていない時。うさぎが妙にまとわりついてきて、
- 人間の周りをクルクルまわる
- 鼻で人間の手をツンツン触る
- 人間の手の下に潜り込んでくる
こんな行動を見せたら「撫でて」もしくは「かまって、遊んで!」というサインである可能性が高いです。(撫でようとした時にピョンと逃げるようなら、「撫でて」というより「遊んで」モードのことが多いです)少しでもいいので出来るだけ要求に応えてあげると、うさぎも学習して同じサインを使うようになりますよ。
また、うさぎを撫でている最中。うさぎが頭を下げて地面にペタリとくっついたなら、あなたのなでなでが気持ちいい証拠。うさぎは「逃げないから、もっと撫でていいよ」と言ってくれています。なお、撫でるのをやめようとした時に人間の手を追いかけて鼻で突いてくるなどのサインを見せることがあります。中には人間の手に前足をかけて、無理やり引き留めるような大胆な子も。 これは「撫でるのをやめないで」という意思表示である場合が多いです。
うさぎは鳴き声を出さないので、表情のわずかな違いや行動でコミュニケーションを取る必要があります。慣れるとそんなに難しくないのですが、初めの頃は、この記事の内容をヒントに愛うさとのなでなでタイムを充実させてみてください。
さあ、撫で方のコツは次でラストです。どんな初心者でも、まずはここを押さえておこう!というポイントをご紹介します!
とっておきのテクニックは、『人間もリラックスすること』
最後に、うさぎを撫でるのが全く初めてで、全然自信がない!という場合でも、とても有効なテクニックをお教えしましょう。それは、
撫でる側、すなわち人間も気持ちを穏やかにし、リラックスすることです。
これは本当に効果があります。動物は基本的に、自分に敵対せず、穏やかで静かな環境を提供してくれる人を好むのですが、うさぎも例外ではありません。でも一口にリラックスと言っても、難しいですよね。具体的には、うさぎを寝かしつけるような気持ちで優しく撫でるのがコツです。上手くいけば、ウットリと目を細めながらなでなでタイムを堪能させてくれることでしょう。きっと、うさぎとの信頼関係も深まりますよ。
さあ、ここまではうさぎの撫で方のコツをお伝えしました。ではいよいよ、肝心の「どこを撫でればいいのか」を紹介していきます!
うさぎが撫でられて好きな部分はココ! まずは頭を撫でてみよう
ここからは「うさぎの体の、どこを撫でてどこを避けるべきか」を解説します。まずは、うさぎが撫でられて嬉しいと感じる場所から。ポイントを下の図にまとめました。
①頭・おでこ
頭やおでこは、うさぎにとって撫でられるととても気持ち良いポイントです。他の動物と同じですね。うさぎとふれ合って間もない頃は、まずおでこを撫でるところから始めると良いと思います。慣れると両手で撫でまわしても平気ですが、最初は片手で撫でます。自分の手のひらで、うさぎのおでこを優しく温めるような気持ちで撫でるといいでしょう。
ずっと同じ撫で方をするのではなく、手の甲で撫でたり、手の向きを変えたり、うさぎの眉間を指で滑らせるようにしたりしてみましょう。嫌がらないようであれば、耳を優しく握ってみてもいいですね。一度気持ちいいと感じると、うさぎはいつまでも飽きずに撫でさせてくれます。
頭を下げて「もっと撫でて」サインを出してくれたら、かなりうさぎとの距離が縮まっている証拠です!
②背中
頭を嫌がらずに撫でさせてくれるようであれば、順番に首の後ろや背中を撫でてみましょう。
手のひら全体を前から後ろに滑らせるように撫でるのがコツですが、中には毛をほぐすように後ろから前へ撫でられるのが好きな子もいます。 お尻まで撫でると嫌がることが多く、逃げてしまう場合もありますので、体半分より少し後ろ位までを撫でるのが無難です。
③顔周り
ほほや鼻の周りは、個体差があります。好きな子は大好きな場所なので、あなたの愛うさが気に入ってくれるのであれば、軽くマッサージをするように沢山撫でてあげるといいですよ。
鼻と目の間には『鼻涙管』という、涙の流れる管が通っていますので、人差し指と親指で顔を挟むようにクルクルと優しく揉んであげると、涙詰まりの予防・解消にもなり一石二鳥です。
【うさぎが撫でられて嬉しいところ】まとめ
- まずは頭とおでこ どんなうさぎでも鉄板の場所
- 背中から腰にかけてを優しく撫でる
- 顔周りは慎重に…でも好きな子が多いです
さて、次は注意点です。折角なでなでにウットリしてくれていたのに、急に逃げられてしまったら残念ですよね。 うさぎが嫌がるところをしっかり押さえておきましょう。
3.うさぎが触られて嫌がるところ
うさぎがハッキリと拒絶の意思を示したら、そこは触られて嫌な場所だったということ。意外と自己主張の強い動物なんです。以下の場所はうさぎが触れられて嫌がるポイントですので、初心者の頃は気を付けましょう。
耳を『つかんで引っ張る、持ち上げる』
耳を『撫でる』のであれば問題ありません。むしろ耳の後ろや付け根などをくすぐると喜ぶ子が多いです。
NGなのは『掴んで強く引っ張る』こと。普通に考えれば分かりそうですが、『うさぎの耳を掴んで持ち上げる』事が当たり前に行われていた時代もあります。当たり前ですが、物凄く嫌がられますし、うさぎに怒られます。
あご・喉
うさぎが撫でられると好きなポイントとして顔周りをあげましたが、その際に注意して欲しいのがあごやの喉の部分です。
犬や猫は喉を撫でられるのが好きな場合が多いので、ついうっかりしてしまうのですが、うさぎの場合、あご・喉周りは「NG!」という子がとても多いです。無理に触るとびっくりして怒られたり、逃げられたりしてしまうので、初心者のうちはなるべく触らないようにしましょう。
お腹・手足
背中の正反対の位置は苦手、と覚えれば早いです。 うさぎは本来食べられる側の動物ですので、弱点=お腹を晒すのを極端に嫌います。信頼関係が深まっていない頃にお腹や手足の裏を触られると、機嫌を損ねてしばらく近づいてくれなくなることもあります。
お尻・しっぽ
最後に、お尻やしっぽは無理に触らないほうがいいでしょう。好きな子もいるので見極めが少々難しいですが、そのうさぎと触れ合うのが間もない頃なのであれば、やめておいたほうが無難です。耳同様、しっぽをギュッと握るなどは厳禁ですよ!
…さて、ここまでで、うさぎの撫で方に関する説明は終わりです。『コツ』と『場所』をしっかり理解して、うさぎの好みを把握しておきましょうね!
【うさぎが触られて嫌がるところ】まとめ
- 耳をつかむのはNG 撫でたり優しく握るのはOK
- あごや喉はキライな子が多い
- お尻やしっぽも注意
次からは、うさ飼いビギナーさんには是非読んで欲しい項目です。 撫で方のテーマからは少しずれますが、どうしても撫でさせてくれない時の注意点や、撫でることのメリットを書いていますよ!
「全然撫でさせてくれない…」「噛みついてきた」こんな時は要注意
この記事に書いてあるポイントを実践してみると、うさぎを撫でることはそんなに難しくないということが分かるはずです。しかし、もしも「どんなに優しく近づいても、全然触らせてくれない!」とか、「昨日まで触らせてくれたのに物凄く嫌がるようになった・噛みついてきた」という場合は、うさぎにとって何か嫌なことがなでなでと結び付けられているか、健康に何らかの異変があるかもしれません。
その状態が長く続くようなら、多少大げさと思っても信頼のおけるショップやお医者さんに相談した方が良いでしょう。 病気が隠れていたら大変ですし、いつまで経ってもうさぎにとっての「嫌なこと」が解決しないと、うさぎと良いコミュニケーションが築きづらくなってしまいますからね。
初心者のうちは、小さな見過ごしが大きな災いとなることもあります。くれぐれも、「結局よく分からないけど、仕方ない…」と、放っておくことの無いようにしましょう。
さて、最後に補足です。うさぎを撫でると、うさぎを飼う上でこんないいことがあるんですよ!
なでなでタイムの意義
人間にとってはこれ以上ない位癒されるうさぎのなでなでタイムですが、実はうさぎにとっても大切が意味があることを説明しておきましょう。前述したとおり、うさ飼いにとって、うさぎのなでなでタイムは愛うさの可愛い姿を思う存分堪能し、「うさぎと一緒に暮らしていてよかった…」と実感できる至福の時間です。
しかしそれだけでなく、うさぎに触れることによって毛玉や皮膚の状態など、体に異常が無いか簡単なチェックも出来るので、コミュニケーションの方法としても非常に重要なんですよ。 ここをクリアして初めて、うさぎを抱き上げて爪を切ったり、ブラッシングしたりできるようになります。
つまり、うさぎを撫でるという行為は、うさぎの健康チェックや日頃のケアを行うための第一ステップでもあるということです。とても重要なスキンシップの第一歩ですから、うさ飼いの方は是非早いうちにマスターしてしまいましょうね!
まとめ
いかがでしたか?この記事では、うさぎを撫でるコツのほか、うさぎを撫でることのメリットや注意点について解説しました。下記に要点をまとめておきますので、これだけでも読んでおいてください。
- うさぎがリラックスしているところを狙って、驚かせないように手を近づける
- 力加減は、自分の手を優しく洗う程度
- うさぎが鼻ツンしてきたら、『撫でて』の合図かも
- 人間も出来るだけ穏やかな気持ちで撫でる
- 最初は頭を優しく撫でて、慣れさせていく
- もしも全く撫でさせてくれない時間が続くなら、専門家に相談を
さて、冒頭にも書きましたが、うさぎを撫でることには本当に様々なメリットがあります。ぜひ、一日も早く愛うさに気持ち良いと思ってもらえる撫で方を見つけ、良い関係を築いていきましょうね。