ウサギが牧草を食べない…を解決!原因は様々、色んな対策を試せ!

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ウサギが、牧草を、食べない!!

ウサギ飼いにとって、こんなに頭が痛くなる問題はありません。多くのウサギオーナーさんが同じ悩みを抱えています。不安なお気持ち、とても分かります。何故ならウサギにとって牧草(主にチモシー牧草)は

  • 消化器官の停滞(うっ滞)を防ぐ
  • 歯の伸びすぎを防ぐ

以上のように『消化器官』『歯』という、ウサギが生きるために最も重要な身体の部位の健康を維持してくれる、本当に本当に重要な食材だから。しかもウサギは消化器官を常に動かす必要があり、1日の絶食だけで生命に危険が及ぶ可能性があると言われているのです。つまり、時間に余裕が無い! ウサギ飼いさんはそれが分かっているので、『うちの子が牧草食べない/食べなくなった問題』を何より恐れています。

なのにウサギって、牧草嫌いな子が多かったり、それまで食べていても突然ハンストを始めたりします。(管理人も何度も経験があります)全く困った、気まぐれ動物です…。

そこで今回は、ウサギが牧草を食べない/食べなくなったというお悩みに全力アプローチしていきたいと思います!原因は沢山考えられますが、全部丁寧に説明していくので安心してくださいね。

目次

とにかくこれだけはやって!ウサギが牧草を食べたら褒めてあげよう 牧草を使った遊びも◎

まず、どんなことが原因であれ、これはやって欲しいという対策があります。それは、「ウサギが牧草を食べたら沢山褒めること」です。牧草を食べることが大好きな人間の喜びにつながっている、褒めてもらえるというポジティブな学習をウサギにさせるのは大切なことです。ご褒美のおやつなどは要らないので、ただ大げさに沢山褒めてあげましょう。見逃しがちですが、意外と重要な点です。

また、本来ウサギは食べ物を探すための好奇心も旺盛な動物なので、牧草の置き方を工夫(縦置き⇔横置き)したり、牧草を使った引っ張りっこ遊びや茎を噛み切って落とさせるなどの遊びを一緒にしてあげるだけでもそれが良いきっかけとなる場合があります。

ウサギが牧草を食べない原因は様々…でも正しい対策で必ず改善できます!

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まず、前提として今回の記事では『牧草=チモシーなどのイネ科牧草』としてお話を進めます。牧草にはマメ科とイネ科の2種類がありますが、イネ科の牧草こそが、ウサギの健康維持に重要な役割を持つからです。イネ科牧草としてメジャーなのはチモシーですが、オーツヘイやクレイングラスなどの他の牧草でも代用は可能ですよ。

さて、ウサギが牧草を食べないといっても、『普段から食べている子が食べなくなった』のか、それとも『元々牧草を食べない子に食べさせたいのか』でも原因や対策は変わってきます。ここでは、順番にそれを解説していきますね。

ウサギが突然牧草を食べなくなった場合

さて、昨日まで食べていた牧草を、ウサギがいきなり食べなくなるととてもびっくりして不安になってしまいますよね。もしもウンチなども出ていなくて辛そうにしている場合はすぐに病院へ相談したほうが良いですが、まずは落ち着いて他に原因が無いか探ってみましょう。

牧草を変えた、もしくは同じ牧草でもロットが変わった

ウサギ、特に大人ウサギは食の変化に対して結構慎重な姿勢を取る子が多いです。最近、牧草を新しいメーカーのものに変えませんでしたか?もしくは、同じ牧草でもロットが変わった可能性があります。香りが違うのでウサギが警戒して食べなくなった可能性があります。

対策は?

元の牧草が残っている/買える場合は、それと混ぜながら切り替えてあげてください。日ごろから、牧草の切り替え時は少しずつ新しいものを混ぜていくのが安全です。残っていない場合は時間をかけて慣らしていくしかないですが、何も食べない時間が続くと消化器官に良くないのでウンチの様子には気を配り、いつでも病院へ相談できる準備はしておきましょう。色々な種類の牧草が入ったお試しセットなどを緊急的に購入して何か一つでも口に入れてくれるものが無いか試すのも手です。

いま食べている牧草に飽きている

『食べ飽き』も、気まぐれなウサギには普通に見られる行動です。性格によるところが大きく、無理にしつけようと叱ったりすると更に事態が悪化したりするので、ペレットやおやつには逃げないよという姿勢は示しつつも、ある程度妥協することが必要です。

対策は?

過去に食べたことのある別メーカーの牧草を試したり、新しい牧草をお試しで購入してみましょう。また、防止策としては、日ごろから沢山の種類の牧草を試すのがおすすめです。そのうちの2~3種類をローテであげるようにすると食べ飽きが起こりづらく、いざ飽きが来た時にも過去に試したことのある牧草をあげるなどの対処がしやすいです。

長期保存や保管状態が悪く、牧草の香りが飛んでしまった

牧草の大量買いで長期保存してしまった、もしくは保管状態が良くなく牧草の香りが飛んでしまった、という場合は、ウサギにとって牧草が『おいしくなさそう』なものに変わってしまった可能性があります。

対策は?

牧草を一握り皿に乗せ、500/600wの電子レンジで20~30秒温めると香りが戻って食べてくれる場合があります。(焦げないように様子を見ながら)ただし一時的な対処法なので、出来るだけ早めに新しい牧草を購入してあげましょう。なお、チモシーの保管については以下の記事も併せてご覧ください。

ウサギがストレスを抱えている

ウサギは、実は感情ゆたかな動物です。例えば『最近人間が全然遊んでくれない・話しかけてくれない』『工事の音が怖い』『知らない人が出入りしていて緊張する』などのフラストレーションがあるといきなり機嫌を損ねて食べなくなることがあります。

対策は?

心当たりがある場合、まずは沢山ウサギとコミュニケーションを取り、きちんと愛情を伝えましょう。不安そうな場合は撫でて安心させてあげたり、遊び不足の場合は一緒に遊んだり。運動すればお腹も減るので一石二鳥です。こういった原因の場合は、ウサギからの信頼を回復させることが好転のきっかけとなりやすいです。

元から牧草を食べないウサギの場合

普段から牧草を食べないウサギに食べさせたい、という場合は根気が必要です。ですが、何度も言うように牧草はウサギの健康に本当に重要で、必要な食材。不正咬合もうっ滞も毛球症も無い、病気知らずのウサギに育ててあげるためにも、じっくり改善へ向けて取り組みましょう。

ペレットやおやつをあげすぎている

よく言われがちなのが、ペレットやおやつの量が多すぎてウサギが満足してしまい、牧草を食べなくなっているということ。また、牧草を食べないのでペレットを多くする、という方法を取っているとウサギが『牧草食べなければペレット(美味しい食べ物)をくれるからそれでいいや』と思ってしまい、ますます食べなくなってしまいます。

対策は?

ペレット・おやつの量を見直してみてください。わからなければ病院やショップへ相談するのも良いですし、飼育書や以下の記事なども参考にしてみてください。なお、見落としがちなのは家族が数人いる場合で、自分自身はきっちりペレットもおやつの量も守っていたのに、実は他の家族がついつい可愛くてウサギにおやつをあげてしまっていた…ということもあります。

人間が我慢できずついウサギに対して根負けしてしまっている

上の項目と似ているのですが、ウサギは絶食が危険な動物なので、数時間食べないだけでも人間側は不安でたまりませんよね。ついつい、牧草を食べないことが不安だったり、我慢できずに少量のペレットやおやつでごまかしたりしていると、ウサギに意志が伝わらず中々牧草を食べてもらえません。

対策は?

普段からつい根負けしてしまう人は、心を鬼にして我慢しましょう。ウンチの様子は注意しつつ、たとえペレット皿が空になっても半日以上~1日を限度に放っておいて、牧草を食べてくれるよう仕向けます。ただし、それでも食べてくれない場合は他に原因があるかもしれないので病院やショップで相談してみましょう。

そもそも牧草を食べてこなかったので慣れていない

通常のペットショップやうさぎ専門店でお迎えするウサギにはほとんどこのようなことは起こらないのですが、まれに余り良くない環境で育った子ウサギには『まともに牧草を食べたことがない』というウサギも存在します。

対策は?

まずは牧草の存在に慣らします。複数種類の牧草を試したり、牧草ペレット(アルファルファではなく、チモシーが主原料のもの)・牧草のおもちゃなどでとにかく牧草を口にする機会を増やしましょう。嗜好性の高い生牧草などをきっかけとして使うのも◎です。

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【注意】牧草を食べない+こんな症状があれば出来るだけ早く病院へ相談しよう!

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さて、以上のようにウサギが牧草を食べない/食べなくなった時の原因は様々で、いくつも考えられますが、残念ながら病気にかかっているという可能性もゼロではありません。

  • 牧草だけでなくペレットもおやつも食べない
  • 朝から夜までウンチがほとんど出ていない・普段よりかなり小さい
  • 元気がなく、じっとしていたりずっと寝ている

上記のような異常が見られる場合には、できるだけ早く病院へ相談しましょう。特にウンチが一粒も出ていない状態が2日以上続くとかなり危険ですので、電話診療だけでも検討してください。

また、歯が不正咬合を起こしていて牧草を食べられないというケースもあるのですが、前歯だけでなく奥歯(臼歯)が原因のこともあり、この場合は見た目だけでは分からないので日ごろからかかりつけの病院で健康チェックをしてもらうことも大切です。

まとめ

さて、今回はウサギが牧草を食べない/食べなくなったという問題について、できるだけ詳しく掘り下げてみました。今回は長めの記事だったので、内容を軽くおさらいしてみましょう。

  • ウサギにとってチモシー牧草(イネ科牧草)は消化器官と歯の健康を維持する重要な食材
  • ウサギが牧草を食べたら褒めてあげる・牧草への好奇心が向くよう工夫してあげる
  • 急に牧草を食べなくなった時は、牧草の変更を行わなかったかや、ここ数日の環境変化なども疑う
  • 普段から牧草を食べないウサギには、食事バランスの見直しや牧草への慣らしを根気よく行う
  • 牧草を食べない以外にも症状がある場合は病院へ相談

冒頭でも記載したとおり、ウサギが牧草を食べてくれないと飼い主である人間は本当に不安になるものです。普段から食べてくれなかったり、急な牧草ストライキを起こしたり…。けれど、じっくり原因を探ってとにかく色々な対策を試せば、絶対に今の状態からは改善してくれるので、諦めないでください!

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