今年も夏が近づいてきました。夏の猛暑を乗り切るため、私達人間は様々な対策をしますよね。エアコンや除湿機を点けたり、熱中症予防に冷たいお茶を作ったり、食材管理に気をくばったりもするでしょう。
うさぎ飼いの場合も、暑さに弱いうさぎの為にきちんと対策をしておく必要があります。暑さ対策は基本的にエアコンで行いましょう。初心者だとつい『エアコンなしでも…』なんて考えが浮かんでしまいますが、先に断っておきます。
うさぎの暑さ対策は、エアコンなしでは危険です。
昔は私も『電気代かかるし』と甘いことを考えていましたが、うさぎと7年暮らした 今ではしっかりと認識を改めています。それに、単純な費用はかかりますが、エアコンを点けることで牧草やフード管理が格段にラクになるなど、副次的なメリットも沢山あることが分かりました!
今回は、そんなうさぎの暑さ対策について、エアコンの上手な使い方を具体的に説明します。その他、冷却グッズの活用法や夏対策の注意点についても触れていますよ。
うさぎの暑さ対策にはエアコン必須! 使い方を覚えて快適な夏を過ごそう
さて、冒頭でも述べましたがうさぎの暑さ対策にエアコンなしで挑むのは危険です。なぜなら、うさぎは人間より遥かに暑さに弱い動物だから。熱中症を起こすと生命にかかわる事態になってしまうので、うさぎの周りは常に快適な温度にしてあげることが大事です。これに役立つのがエアコン。冷却グッズじゃダメなの? と思うかもしれませんが、室温30℃前後になる夏場に、冷却グッズを2つ3つ置いたところで充分な効果は期待できません。日々気温も変わるため、持続時間もまちまちになります。
エアコンは、きちんと稼働していればうさぎにとっての適温をずっと実現してくれる、暑さ対策の最強の味方なのです。それに、部屋全体を涼しくしてくれるエアコンなら、糞尿のニオイ対策やカビ・ダニ等の衛生・害虫対策にもなるので、夏場の他の問題に頭を悩ませる必要もなくなります。ぜひ、エアコンの使い方を覚えてうさぎに快適な環境を提供してあげましょう。
エアコン必須と書きましたが、例外として、夏でも室温がうさぎの適温以上に上がらないような地域・構造の部屋にお住まいなら、エアコンは使わなくても大丈夫です。その場合も万一を考えて温度計はつけた方が安心です。
エアコン設定温度は”その子”にとっての適温で。実際に温度計で室温を測ろう
では、エアコンの具体的な使い方を説明します。まずは設定温度ですが、前述したようにうさぎにとって快適な温度にしてあげる必要があります。といっても、うさぎによって適温は違うので、自分のうさぎ=”その子”にとって快適に過ごせる温度を見極めるようにしてください。湿度が高い部屋の場合は除湿機能もONにしておくと心強いです。
通常、うさぎにとっての最適な温度は18~25℃(湿度は40~60%)と言われています。品種や体の大きさによって前後しますが、とりあえず28℃を超えたら危険信号! 特にアメリカンファジーロップやジャージーウーリーなどの長毛種にとっては、25℃でも高いと考えた方が良いですよ。
ところで、ここでいう温度は、エアコンの『設定温度』ではなく温度・湿度計で正確に計測した数字のこと。部屋の広さとエアコンのパワーによっては、設定温度が22℃でもうさぎの近くでは25℃を計測なんてこともありますし、その逆もありえます。ケージ等(放し飼いなら、よくうさぎが休む場所)の近くに計測機器を置き、実際の数字をきちんとチェックして適温を維持しましょう!
ちなみにカイウサギの祖先と言われているアナウサギの場合、地中の巣穴の温度は通年18℃程度だそうです。地下は温度変化が少なく、夜行性のうさぎは一日のほとんどをこの快適な巣穴で過ごすため、夏の日中の暑さをしのげるのです。野生で活動するイメージのあるうさぎが実は暑さに弱い理由も、これで納得ですね。
稼働時間は夜の室温を見て決めよう! 点けっぱなしも視野に入れて
次にエアコンの稼働時間ですが、夜間の室温(温度計で測った実際の温度)がうさぎの適温以下になるなら、日中だけエアコンを点け、夜は切っても構わないでしょう。後述する冷却グッズも活用すると良いですよ。逆に夜も適温を超えるようなら、エアコンは点けっぱなしにします。
点けっぱなしは何となく壊れそうで不安! という方もいるかもしれませんが、きちんとメンテナンスしていればエアコンは点けっぱなしが原因で壊れたりしませんので安心してください。(実際、管理人はここ数年、うさぎの居る部屋でエアコン2台を半年以上点けっぱなしにしていますが、毎年特に問題は起きていません)
シーズン前にエアコンのメンテナンスは必須! 思わぬ事故を防ごう
最後に、エアコンのメンテナンスについてです。最近のエアコンは頑丈なので早々壊れたりはしませんが、それでもシーズン前に一度はメンテナンスをしておきましょう。長く使っていないなら、カビやほこりが原因でニオイが発生するかもしれませんし、きちんと手入れをすることで冷房効率も良くなります。
壊れにくいと言っても、もしも真夏日の昼間にエアコンが突然動かなくなってしまったら大変です。事故を防ぐためにもシーズン前の点検は大事ですよ!
冷却グッズはエアコンの補助として使おう! 保冷剤は常備しておくと安心です
さて、ここまではうさぎの暑さ対策としてエアコンの活用をオススメしてきましたが、冷却グッズも補助として使えば十分その効果を発揮してくれます。
- エアコンでの調整が追い付かない程の猛暑日や、夜間エアコンを切る際の補助として
- もしエアコンが壊れたときの為の緊急用として
主に上記のような目的で冷却グッズを用意しておくと安心です。また、うさぎの好きな温度に合わせようとすると人間が寒くなりすぎて『もう少し部屋はあたたかくしたい…』と思ってしまう場合等にも活用すると良いでしょう。特に保冷剤は導入コストがほぼゼロなので、冷凍庫に3~4個常備しておくのがオススメですよ。
アルミ・大理石プレートやひんやりマットなどの『敷く』タイプ
冷感のある素材で、うさぎが暑いと思った時に乗って涼むことができます。ずっと乗っているとうさぎの体温で温まってしまうのでこれだけで夏をやり過ごすのは難しいですが、サブとして使うなら良いアイテムです。ケージの中なら小さなプレートタイプを、広範囲の体感温度を下げてあげたい場合は布製のマットを敷いてあげるといいですよ!
このタイプは、置く・敷くだけでいいので使い方が簡単なところがメリット。反面、ウンチやオシッコで汚れる可能性もあります。掃除の手間も発生することを考えておきましょう。また、布やジェル製のものは齧られる場合もあるのでご注意を。
管理人が使っている、ニトリのNクールという敷きパッドです。オシッコしてしまっても洗濯機で洗えるので洗い替え用に2枚持っています。ペット用もありますが、そちらは洗濯機が使えず、手洗い指定です。我が家のうさぎは、部屋を走り回って暑くなったらこのマットの上でベタッと横になり『涼み』に有効活用しています。
保冷剤・凍らせたペットボトルなどの『冷気を利用する』タイプ
一般的な保冷剤やペットボトルを凍らせ、タオルに包んだものをケージの上に置き、冷気が下に行く原理を利用してケージ内の温度を下げる方法です。普通の家庭にある保冷剤を使うので、コストがほぼゼロなのが魅力! エアコン故障や停電など、万が一の為に常備しておくのがオススメです。
しかし、当然ながらうさぎがケージに居る時だけしか使えないので、放し飼い等でうさぎがケージにいる事が少ない場合は対象外となります。また、使用する場合は絶対に保冷剤がうさぎの口に入らないように配慮しましょう。
サーキュレーターでエアコンの『冷房効率』をアップ!
うさぎ専用の冷却グッズではありませんが、サブアイテムとして優秀なので紹介します。サーキュレーターは、部屋中の空気を撹拌・循環させてくれる家電です。元々冷暖房器具の温度調節を効率的にするためのものなので、エアコンと非常に相性のいい組み合わせ。エアコンの設定温度を上げても、空気を循環させることで目標室温を実現してくれる場合もあります。
サーキュレーター分の初期投資は必要ですが、冷房病を防いだり、導入後に電気代が下がる場合もあるなど、メリットは盛りだくさんです。
管理人が使っているサーキュレーターです。値段が少しお高めなので迷いましたが、消音性が本当に良いのでオススメします。ベッドの横に置いていても、びっくりするくらい音がしません。首振り機能なども充実しているので、前の物から買い替えて本当によかったと思っています。
暑さ対策以外にも!うさぎ飼育の夏にエアコンが役立つ他の理由
今回は『エアコンを活用してうさぎの暑さ対策を行おう』という内容でしたが、実はエアコンには単純な暑さ対策以外にも、うさぎと過ごす夏の『困った問題』に役立つメリットがあるんです。本来ならそれぞれ個別に対策を立てなければならないことも、エアコンだけで解決しやすくなったりするので、ぜひうさぎとの夏にはエアコンを取り入れてくださいね!
食べ物や水が劣化しにくくなる
室温の影響を受けるのは、うさぎ本人だけではありません。うさぎが食べているご飯やお水も、室温が上がるとともに劣化しやすくなります。冷却グッズだけの暑さ対策ではフード類にまで効果が望めませんが、エアコンなら室温や湿度そのものを下げてくれるので効果あり! つまり水替えの頻度も春・秋と大きく変えなくて大丈夫になります。
うさぎと同じ部屋(=エアコンをかけている部屋)でフードや牧草のストックを保存している場合は、ストックの管理までラクになりますよ! 除湿機能で60%以下の湿度コントロールまで出来ていれば、牧草につきやすい害虫の発生もかなり抑えられます。
糞尿の匂いが抑えられる
うさぎは基本的に匂いの少ない動物ですが、オシッコは少し独特な匂いがします。また、コロコロの通常便と違い、柔らかい盲腸便は匂いが強いため、夏場で室温が高いとトイレの匂いが気になることも。これも、エアコンで室温が低めに保たれていれば通常と変わらず生活できます。消臭剤をシュッシュッする回数も減りますよ。
何より人間側も快適
なんだ、当り前じゃないか。と思うかもしれませんが、実はかなりのメリットだと実感しています。うさぎも人間も快適に過ごせる温度はほぼ一致しているので、抱っこやなでなで、追いかけっこも春秋と変わらずにできますし、ケージやサークル掃除で汗もかきません。うさぎのお世話をする人間が熱中症や夏バテになったら元も子もないので、夏はエアコンでしっかり体調管理しましょう!
まとめ
今回は、うさぎの暑さ対策とエアコンの必要性についてお話ししました。ポイントは以下にまとめておきますが、日本の夏は侮れないもの。エアコン利用の場合も気を抜かず、食材管理に注意して、うさぎの夏バテにも気を配ってあげてくださいね。
- うさぎの暑さ対策にエアコンは必須、設定温度はうさぎに合った温度を実際の温度計で測って調整しよう
- エアコンの補助や緊急用として冷却グッズも活用しよう、保冷剤は常備すべし
- エアコンには食材の劣化を防いだり、ニオイ・害虫発生を抑えるメリットもある
本格的な暑さを迎える前に、自分のうさぎに合った適温を見つけて一緒に夏を乗り切りましょう!